28食目「真夜中のアメリカンクラブハウスサンドと変態 / Sept.」

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うえの「シャロンちゃんは本当においしそうに食べるわね」

シャロン「はむっ、しゃくしゃくしゃくっ、夜中に起きたとき、ちょうど具だくさんのサンドイッチとフライドポテトが食べたくなって、どうしようもなかったのですわ。・・・うえのさんはなにも食べませんの?」

うえの「ううん、私は飲み物だけでいいから」

あきはばら「こんな夜中にサンドイッチなんてよく食べられますね」

シャロン「・・・。食べるものと時間帯はあまり気にしたことがありませんわね」

うえの「シャロンちゃんからこの時間帯に連絡が来たから、何事かと思っちゃったけど、なんでもなくて本当によかったわ」

シャロン「起こしてしまったようで申し訳なかったですわ。まだ起きているものとばかり・・・」

うえの「ううん、いいの。確かに普段なら起きてるから。それに、シャロンちゃんに会いたいなって、私はいつも思ってるよ」

あきはばら「私もいつでも呼んでくれていいんですよ」

シャロン「・・・、あなたを呼んだ覚えはありませんわ」

あきはばら「はぐぅっ、その冷たい視線! はあああいいいいです、もっと睨んでください」

うえの「あきはばらちゃんは少し、その・・・、きもちわるい人なの?」

あきはばら「どう呼んでいただいてもかまいません。たまに変態とか呼ぶ人もいますよ。しかしまったく気にしていません。他人から言われる以前に、自覚していることですから。私はまったくの変態そのものです」

シャロン「ある意味秋葉原の駅妖精に最もふさわしい人材ですわね」

あきはばら「お褒めの言葉を預かり恐縮です。そうですね、いいことを思いつきました。今シャロンが口に咥えようとしているそのポテト、半分いただけないでしょうか。・・・いや、そうではなく。シャロンが口に咥えたポテトを、口移しで私nああんっ、どうしてそんなに高速で食べてしまうのですか? くっ、私はもっとシャロンと近づきたいのに、それが叶わない。世界の歯車はどうしてこんなにもうまく噛み合わないようにできているのでしょうか」

シャロン「・・・食欲が減退するという感覚を今初めて感じた気がしますわ。得がたい経験ですわね」

うえの「あきはばらちゃんは、シャロンちゃんのお友達なの?」

シャロン「一応、わたくしの教育係ということになっていますわ。そんな存在は必要はありませんのに、天界から派遣されてきて・・・」

あきはばら「いいえ、私とシャロンは友人、いや、それ以上です。私はシャロンを呼び捨て、シャロンは私を『あなた』と呼ぶ。甘美な関係としか言いようがありません。私がここに派遣されてきたのも、運命の導きなのでしょう」

うえの「・・・うん、なんだか、その・・・、素敵、ね」

シャロン「うえのさんが困っていますわ」

あきはばら「大丈夫です。私の精神は正常です。情緒も安定しています。安心してください。ただの変態という、よく見かけるありふれた存在です」

うえの「う、うん・・・私、今、夢見てるのかも」

シャロン「残念ながらこれは夢ではなくて現実ですわ。現実にこの災厄のようなものが秋葉原に赴任してきたのですわ」

あきはばら「災厄と表現しますか。さすがシャロンですね。しかし私はまだまだ災厄と呼べるようなレベルにありません。過ぎた言葉です、シャロン

シャロン「・・・。と、とりあえず、サンドイッチ食べてしまいますわね」

うえの「そうね・・・」

あきはばら「そんな、急ぐ必要はありませんよ。朝までまだまだ時間はあります。お互いの気持ちを確かめあって・・・シャロン? おや、席を立って、お手洗いですか? それなら一緒の個室に・・・、え? どうして会計しているんですか? シャロン、ちょっと、待ってください!」

シャロン「逃げますわよ」

うえの「う、うん・・・」

あきはばら「ま、待ってください、シャローン! え? 私のドリンクバー代だけ支払われていない? うぐぐっ、シャロン、あなたの愛、いつの日か必ず・・・」

 

***

 

シャロン「真夜中なら秋葉原に来ることもできるかと思ったのですけれど、コーヒーを飲んでいたらいつの間にかお店に入ってきていましたわね」

うえの「あきはばらさんってあんな人だったかしら・・・」

シャロン「普段は優等生のふりをして、わたくしにだけ性癖をひけらかして執着するのですわ。わけがわかりませんわ」

うえの「あらら・・・でも、シャロンちゃんはいろんな人から愛されているのね」

シャロン「うう、もっと普通の人とお付き合いしたいですわ」

うえの「いちがやちゃんみたいな?」

シャロン「そうですわね。でもあの人は、普通すぎますわね」

うえの「難しいね、ふふっ」