SMALL CLALON HOURS

てんねんきねんぶつシャロンのぼうけんのしょです

54食目「小山屋(さいたま市大宮区) / Apr.」

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シャロン「なんだか退屈な道に出てしまいましたわね」
いちがや「ただただ郊外の道路って感じだね」
ふえーり「こういう郊外のどうでもいい感じの道を歩くのも楽しいのですよ!」
いちがや「どこが楽しいのかわからないんですけど」
ふえーり「かわいい女の子とすれちがうかもしれないじゃないですか~」
いちがや「・・・はぁ」
シャロン「女の子ならどこにでもいますわ。駅にも、繁華街にも」
ふえーり「そうなのですが、こういうところで見かける女の子の適当な感じがいいのですよ! ちょっとそこのコンビニまで行くときの格好の女の子とか、駅前だと見られないじゃないですか~」
シャロン「適当な格好の女の子が好きなんですの?」
いちがや「まともに考えないでいいんだよ、シャロン
ふえーり「ちょっとそこまで出かけるって感じの女の子って本当に素晴らしいのです。安物のTシャツ着て、洗濯しすぎて白っぽくなってるハーフパンツ履いて、足元は素足のままサンダルとか~」
いちがや「フェチすぎて気持ち悪いですから」
シャロン「ううん・・・?」
ふえーり「そういう格好して、いつものツインテールじゃなくてポニーテールにしてるルビィちゃんが歩いていたら、もうかわいくてしょうがないですよね?」
シャロン「確かにかわいいですわね!」
いちがや「それはルビィちゃんだからでしょ!」
ふえーり「そういうのをひっそり見るのが楽しいのです!」
シャロン「そんな楽しみかたがありましたのね」
いちがや「シャロン、こんなおっさんの変な趣味にひっぱられないでよ・・・」
ふえーり「うひひ」

***

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シャロン「焼き立てパン食べ放題! じゅるっ」
いちがや「簡単に釣られすぎ」
ふえーり「シャロン様、パンをお召し上がりになりたいのですか?」
シャロン「ごくっ、ううっ、正直もうなんでもいいですわ、おなかす」
いちがや「ん?」
シャロン「っ・・・ま、まあ、こういうお店に入るのもいいかなと、思っただけですわ」
いちがや「シャロンが食べ放題に行くとお店に混乱が生じるから嫌なんだよね・・・」
シャロン「ごくっ、食べ放題なのですから、食べ放題なのですわ!」
ふえーり「シャロン様ぁ、落ち着いてください~」
いちがや「だってお店の中にいるの、近所のお母さんたちでしょ?」
ふえーり「確かに女の人たちしかいませんね」
いちがや「そんな中にこんな猛獣と中身がおっさんのメイドを引き連れて、お店を混沌の淵に陥れてしまっていいものか・・・」
シャロン「だれが猛獣ですの!?」
いちがや「その食欲は人のものでも妖精のものでもないの!」
シャロン「ううっ・・・でも、もう、その、そろそろ限界ですわ!」
ふえーり「食欲ゲージがすごい勢いで増していくのですね・・・」
いちがや「うん、だめ。こういうお店は入っちゃだめ。ちがうお店にしよう」
シャロン「そんなっ」
ふえーり「あの~、シャロン様。駅のコンビニで買っためんたいパンなら持っているのですが、とりあえずお店を見つけるまでのつなぎとして、召し上がりますか?」
シャロン「そんなもの持っていましたの?」
ふえーり「まあこういうこともあろうかと~」
シャロン「すばらしいですわね、さすがわたくしのメイドですわ」
ふえーり「食べ物を差し上げるときだけ最大限にほめられるのです・・・」
シャロン「ばりりっ、はむむっ、ほんあおほあいあえんはよ!」
ふえーり「なにをおっしゃっているのかわからないのです~」
いちがや「口閉じて食べなよ・・・」
シャロン「んぐっ、あむっあむっ」

***

いちがや「結局飲食店を探すことになっちゃうんだ」
ふえーり「あそこ、車が路肩に何台か停まっているところ、お店じゃありませんか?」
シャロン「なんでもいいですわ、食べられるものなら・・・」

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シャロン「『手打 なす汁うどん 小山屋』・・・」
いちがや「なんか、入りにくい感じの店構えだね」
ふえーり「『なす汁』ってなんなのでしょう?」
シャロン「はやく食べたいですわ!」
いちがや「はぁ、まあここならいいかな・・・」
ふえーり「入ってみましょう!」

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おばちゃん「いらっしゃいませー」
シャロン「なす汁うどんを3人前くださいな」
おばちゃん「はーい」
いちがや「えっ」
ふえーり「早いのです」
シャロン「看板メニューを食べるに越したことはありませんわ」
いちがや「一応メニューとか、見たくない?」
ふえーり「そうなのですよ、シャロン様」
シャロン「メニューなら、テーブルの上にありますわ」
いちがや「・・・そうだね」
ふえーり「ま、まあ、でも、たしかになす汁うどんは気になるのですよ!」
いちがや「・・・そうなんですけどね」
シャロン「いけなかったかしら?」
いちがや「シャロン、落ち着いて」

***

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いちがや「田舎汁うどん、肉汁うどん、鴨汁うどん・・・」
シャロン「はぁぁ、どれもおいしそうですわ!」
いちがや「だったのにね」
シャロン「べ、別に、なす汁うどんだっておいしそうですわ!」
いちがや「焦らなければお肉の入ったうどんだって食べられたのに」
シャロン「きっと、なす汁うどんにもお肉が入っているはずですわ!」
いちがや「そうかな」
ふえーり「入っていないと思うのです・・・」

***

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おばちゃん「はい、お待たせしました~」
シャロン「ありがとう、いただきますわ!」
おばちゃん「ゆっくりしていってくださいね~」
ふえーり「ありがとうございます~」
いちがや「ありがとうございます。シャロン、ゆっくり食べなよ」
シャロン「ずるっずるっずるっずるっ、ずずずーっ、もっちもっちもっち、はむっはむっはむっ、ごくん、はああー。ええ、わかっていますわ」
いちがや「それはわかってない食べかただよ」
ふえーり「もにゅもにゅ・・・ん、おいしいのです~」
シャロン「あなた、麺をすすれませんの?」
ふえーり「すすれないのですよう」
いちがや「もぐもぐ・・・なすは油で炒めてつゆに入れてあるんだ。しょっぱめで温かいつゆが、なすとうどんの組み合わせに合ってるね」
シャロン「お肉は入っていませんわね」
ふえーり「具はナスと短冊に切った油揚げと・・・白ゴマとネギでしょうか」
いちがや「シンプルでインパクトのある味に、コシの強い手打ちうどん。すごくいいバランス・・・私にも作れるかなあ」
シャロン「ずるっずるっずるっ、もっちゃもっちゃ、ごくん。ここ、いいお店ですわね。また来たいですわ!」
いちがや「もう食べきってる・・・」

***

ふえーり「あっ、もうすぐ閉店時間なのですね」
いちがや「じゃあそろそろ」
シャロン「ええ。・・・ごちそうさまでしたわ!」
おばちゃん「はい、ありがとうございます」
シャロン「とってもおいしかったですわ。この味なら、お昼ごはんの時間はきっと混んでいるのでしょう?」
おばちゃん「あはは、まあそこそこですねえ」
シャロン「うどんの大盛りはできますの?」
おばちゃん「え? ええ、していただけますよ」
シャロン「それはよかったですわ。・・・次は大盛りですわね」
ふえーり「お会計は・・・」
おばちゃん「なす汁うどんが3人分で、2040円ですね」
ふえーり「かぱっ(がまぐちを開ける音)、ではちょうど・・・」
おばちゃん「はい、ちょうどいただきます。どうも、またいらしてください」
3人「ごちそうさまでしたー」

***

シャロン「お肉は入っていませんでしたけれど、おいしかったですわ。お肉は入っていませんでしたけれど」
いちがや「だからそれは自分のせいだから」
ふえーり「パン食べ放題、やめておいてよかったですね」
シャロン「そうですわね。パンを食べてから来ていたら、このお店が閉店時間になっていましたわ」
ふえーり「・・・、そうなのです~」
いちがや「ふえーりさん、面倒くさがらずにちゃんとつっこんでください。私だってがんばってるんですよ」
ふえーり「そうですね、次からがんばるのです・・・」
シャロン「さあ、まだまだ歩きますわよ!」
いちがや「歩くって言っても、もうすぐ駅なんじゃない?」
シャロン「そうなんですの?」
ふえーり「たしかに、さっき列車の走行音が聞こえたのです」

***

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ふえーり「わぁ~、のどかなのですよ~」
シャロン「この線路が野田線ですのね」
いちがや「噂に聞いてたとおり、ちょっと田舎感がありますね」
ふえーり「それがいいのですよ、東武アーバンパークライン
いちがや「ぜんぜん名前と一致してないんですけど」

***

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シャロン「なんだかあっという間に着いてしまいましたわね」
いちがや「まだ歩き足りない、みたいな顔してるけど、だいぶ歩いたからね」
ふえーり「だいたい4kmくらいは歩いたのでしょうか」
シャロン「でも、知らない街をおさんぽするのも、悪くありませんわね」
いちがや「まあ、たまにはいいかなあ」
ふえーり「ぜひまたやりましょう!」
シャロン「今度はもっと田舎・・・山の中とかがいいですわ!」
ふえーり「ええっ・・・それはちょっと」
いちがや「ひとりでやって」
シャロン「山も楽しいところですのに・・・」

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