SMALL CLALON HOURS

三つ編みといぬとメイド

67食目「劇場版『SHIROBAKO』をぎりぎりのタイミングで観に行ったこと / 2020年3月24日」

SHIROBAKO』(しろばこ)とは・・・

2014年から2015年にかけて放送されたテレビアニメ。

その内容は、高校を卒業してアニメ制作の現場に制作進行として就職した主人公が、

作品づくりを通してあんなことやこんなことを経験し、成長する物語。

 

の、劇場版が2月末から公開されておりまして、

2020年3月24日、ついに観に行ったのですよ!

 

***

 

いちがや「この時期に映画館、行きます?」

シャロン「映画館が営業しているなら行っていいはずですわ」

ふえーり「そうなのですよそうなのですよ。やってるなら行くのですよ!」

いちがや「まあ、たしかにこの調子だと、どこかのタイミングで映画館がお休みになってもおかしくないですもんね」

ふえーり「ですよね〜、海外の雰囲気見てると・・・」

シャロン「わたくし、『SHIROBAKO』だと主人公のお友だちの、絵を描く子が好きですわ」

いちがや「そのアニメに出てくる人、だいたいみんな絵を描くんじゃないの?」

ふえーり「そんなことないのです。いろんなお仕事の人がいるのですよ。シャロン様のお気に入りは絵麻ちゃん(安原絵麻、CV:佳村はるか)なのですね」

シャロン小笠原もいいですわね」

ふえーり「ああ、小笠原さん(小笠原綸子、CV:茅野愛衣)いいですよね〜! わかってますね〜」

いちがや「小笠原さんっていうのは、なにをする人なの?」

シャロン「左投げ左打ち」

いちがや「ん?」

ふえーり「絵を描く人です」

いちがや「その人も絵を描く人なんじゃないですか・・・」

シャロン「あのころはまだ小笠原も現役でしたわね」

ふえーり「そうでしたね〜」

いちがや「ん? 巨人の小笠原?」

シャロン「はぁ・・・巨人ではありませんわ! 中日の小笠原の話ですわ!」

いちがや「ああ、たしかに中日に小笠原って選手いるよね」

シャロン「そっちじゃありませんわ!」

いちがや「ええっと・・・?」

ふえーり「ややこしいのでこの話やめましょう〜!」

 

***

 

訪れたのはシアタス調布。

京王線調布駅の地下化に伴って、

空いた地上のスペースにできた商業施設内のイオンシネマ

館内の自動券売機でチケットを買おうとするも、

なんと、座席表が市松文様。

空席と販売済の席が互い違いに表示されている。

画面を見つめながら、

「はて・・・」といちがやさんと考えこむふえーり。

その横からぴょこっと覗きこんだシャロン様が、

「クッキーみたいですわね。金太郎飴みたいに作るの」

とか関係ないことを言う。

いちがやさんが「ああ」と声をあげる。

「これきっと、感染対策ですよ。隣り合わないようにしてあるんですよ」

「それならここに書いてありますわ」

シャロン様が張り紙を見つけて指差す。

カップルでも隣り合うのは厳禁ですか・・・カップルで映画館来る意味なくなっちゃってるのですよ」

わたしがそう言うと、シャロン様が首を傾げる。

「そうかしら・・・隣同士でも上映中はもともと会話もできませんしなにも問題ないのではなくて?しいて言うなら、大きいサイズのポップコーンをシェアしづらいということくらいだと思いますわ」

純粋なシャロン様がそう言うので、わたしはにやりとして言った。

シャロン様、お言葉ですが、カップルがとなりに座るのにはちゃんと理由があるのですよ。今日は待ちに待ったデートの日。劇場内は暗闇。お客さんもまばら。音楽や効果音は大音量。そんな環境ではほとんど密室のようなものなのです。カップルで観る映画ですからちょっとラブラブなシーンだってあります。どきどきが止まらないふたりは暗闇の中、かすかに見えるお互いの身体に手を伸ばして・・・えふっ、っ! いっ〜!」

いちがやさんがわたしの脇腹にエルボーを食らわせてきた。

「ふえんふえん! どうしていきなりエルボーなんですかぁ!」

シャロン、早く席取っちゃおう」

あうあう〜とうめくわたしを無視して画面を操作するいちがやさん。

いつの間にかわたしのがまぐちから抜き取ったクレジットカードを、

自動券売機に挿入して暗証番号まで入力するシャロン様。

このふたり、恐ろしいのですよぅ・・・。

 

***

 

劇場内に入るとまだ明るく、予告編の最中。

わたしたちの席は中央から少し右前方。

ちょうど後ろの席ではカップルが仲睦まじく座っていて、

思わずわたしは心の中でリア充爆h・・・

ん?

カップルが仲睦まじく座っている』だとぅ!?

隣り合ってるじゃん。

わたしの席の真後ろの席に座った女の子が、

本来発売されているはずの席からひとつずれて座って、

となりの男の子の肩にもたれかかってるじゃん!

いやいや、だめでしょそれー!

濃厚接触だよ! 家ではやってもいいけどここではだめだよ!

いちがやさんもなにか言いたげな顔を隠せず。

シャロン様だけがわたしたちの一列前の席に着いて、

後ろの様子にはまったく目もくれずなぜか眠り始めた。眠るんかい。

むむむ、これはどうしたら・・・

劇場内がうす暗くなって、予告編が後半に入っても、

後ろのカップルは一向に離れる気配がない。困ったなあ。

しかたないので、映画泥棒が出てきたところで、

いちがやさんと目配せをして、ともに外側にスライド。

もう君らは思う存分いちゃいちゃするがよろし。

ここはわたしたちが大人になるしかないようだ。

やがてガルパンで見慣れた配給元のショウゲートのロゴがスクリーンに。

いよいよ本編。というところで、後ろの席でもぞもぞという音。

女の子が本来予約してある席に戻ったのだった。

・・・おい。ええ加減にせえよ。

ああ、心の中の治安が悪化する!

またわたしの後ろの席に女の子が座っている。

これで予約どおりの席に座っていないのはわたしたちだけなのだ。

しかたないのでわたしはまた元の席に戻った。

いちがやさんは面倒くさそうな目でこっちを見るだけ。

ううっ。女の子ってなに考えてるかわかりません。

 

テレビシリーズから5年くらい経った後の武蔵野アニメーション

新たにオリジナルアニメーションの制作元請となるが、

制作が進む中、大人の事情で急遽制作中止となってしまう。

先行していた作業が無駄になり、会社は苦境に立たされる。

社長は引責辞任することになり、スタッフのほとんどを放出することになった。

今では他会社の制作するアニメの制作協力を細々と担当する、

かつての武蔵野アニメーションに逆戻りしてしまった。

そんな中、制作進行を務める宮森あおい(CV:木村珠莉)の元に、

他の制作会社でお蔵入りになった企画を引き継ぎ、

映画化しないか、という話が舞い込んでくる。

自信を喪失していた宮森だったが、意を決してプロデューサーとなる。

製作会社の宮井楓(CV:佐倉綾音)とも意気投合した宮森は、

限られた時間を意識しつつ、かつての仲間たちを集め始めるのだった・・・。

 

という内容の映画で、

途中でミュージカルっぽい演出があったり、

いかにも監督お手製という雰囲気の歌が流れてみたり、

セリフとセリフの間(ま)がすごく詰まっていたり、

水島努監督作品だー! って感じ。

fhánaが担当するエンディングテーマもよかった。

胸の熱くなる映画だった〜!

 

しかし、フリーランスのアニメーターの女の子って、

2人でルームシェアしてようやく、

「お風呂とトイレを別にでき」るくらいの暮らしなんだ。

・・・涙ぐましい。でもこれがリアルなのですよ。そうなのですよ。

 

ちなみに、わたしの斜め後ろに座っていた、件の女の子は、

映画の途中で「宮森ぃ・・・」ってつぶやいたり、

上映終了後ものすごく泣いていたり、

なんか、すごかったっす。

でも、アニメの主人公にそんなに感情移入できるなら、

前の席に座っている他の客の気持ちも少しだけ考えてほしいな。

 

***

 

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劇場内の展示

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絵麻ちゃんの衣装設定画


帰りは映画館の通路にある展示を見て、シャロン様も満足そう。

どうやら映画の本編中はちゃんと起きていたらしい。

絵麻ちゃん絵麻ちゃん(はぁと)ってなってる。

その背後で、

「こんなにヒロインたちが揃いも揃って2、30代のアニメも珍しいよね」

といちがやさんが冷めた顔で言う。言わないで。

売店シャロン様が「これほしいですわ!」とうきうき笑顔。

SHIROBAKO』のトレーディング色紙。1枚だけなのですよ?

うんうん! と某元気っ子みたいな素直さ。

目に見えないしっぽをふりふりしてるのがわかる。

むむむ、天真爛漫モード、さすがにかわいいのです。

アニメグッズはあんまり買わないようになってきたけれど、

不幸にもこの時期に公開となってしまった作品を支援したい気持ちもあって、

ちょこちょこと買うことに。

特に、交通系ICカードに貼るシールは、

なにかしらのアニメ作品とコラボしたものがほしかったのでちょうどよかった。

矢野さん(矢野エリカ。CV:山岡ゆり)かわいい。

山岡ゆりさんの演技、サバサバしているキャラにも関わらず、

なぜかきゅんきゅんさせられる感じで、最高です。

 

***

 

空いた電車でそそくさと帰路につく。

途中の駅で降りるわたしに、

「その色紙、開封しないであなたの家に置いておいてくださいな」

と言うシャロン様。持って帰ればいいのに。

でもなにかこだわりがあるのかな、と思って言うとおりにする。

 

おうちでひとりになって寂しくなったので、

マックでモバイルオーダーを駆使してハンバーガーを買ってきて、

ガルパン』のアンツィオ戦を観る。

SHIROBAKO』のテレビシリーズは、

ガルパンを作ったときのアクタスがモデルになっているので、

SHIROBAKOガルパンの流れは感慨深い。

アニメとは、画面の一瞬一瞬が職人たちの手作りなのだ。

ありがたいなあと思いながら、最後まで観た。

 

 

***

 

この数日後、都内の映画館は営業を自粛することになった。

ぎりぎりで観られて、個人的にはよかった。

アニメ業界に大きな被害が出ないことを願っています。